社会には条件付きの愛情しかありません。特に近年の新自由主義的風潮が子ども達の世界にも浸透しつつあることを考えると、競争はますます激化していくように思われます。そんな中で、他者からの愛情や承認を得ることは、難しくなっています。だからこそ無条件にあるがままの自分を肯定され、受容されることを児童期に経験することが大事なのです。不登校生に限らず、全ての子ども達が児童期に無条件の他者からの受容を経験することが、将来において、自分という存在の基盤になります。頑張っていても、頑張らないでいても、自分自身を受け入れ、自分という存在を肯定することのできる強さを、この時期に身に付けることは大変重要なことです。ありのままの自分を肯定することは能力や身分にかかわらず、大人になってからの大きな自信になります。
傾聴→共感→受容。カウンセリングの基本姿勢です。
いきなりの勉強の押し付けは有効ではありません。いきなり指示を出すのではなく、まず、御本人の気持ちに寄り添い、一切の価値判断を差し控え、当事者の声に耳を傾けることです。
たしかにご家族にとってお子さんの不登校は平和な日常が壊れてしまうつらい体験です。とはいえ、そこで焦燥感から無理強いして学校に通わせようとしても逆効果です。まずは、家庭内が安心することのできる居場所であることが肝心です。