ケアの倫理

現代哲学の有力な思想に「ケアの倫理」があります。これは「正義の倫理」という20世紀の有力思想に突き付けられた新しい思想です。「正義の倫理」が「自立」や「自律」という強い個人もしくは男性的な原理原則を基にするならば、「ケアの倫理」は「依存」や「相互依存」という弱さを肯定する女性原理を基にする思想です。たとえば、皆、誰でも、お母さんにケアされて育ったという事実を指摘するだけでも、「ケアの倫理」は「自立」「自律」にとって代わるくらいの原理論になることがわかります。

弱さを肯定すること。誰でも、頼り頼られながら、生きていること。このような生の実相を見てみるだけで、「ケア」というものがいかに重要かがわかります。

 

 

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